症状
膝関節が不安定となり力が入らなくなります。同時に内側半月板という大腿骨と脛骨の間のクッションも損傷する事が多く痛みを生じ歩行に異常をきたします。
治療
内科的療法
体重が軽く、膝蓋骨脱臼などの他の障害が併発していない場合、鎮痛剤の投与と安静で経過を観察します。しかし、内科的療法に反応しない場合が多く認められます。
外科的療法
内科的療法により跛行が改善しない小型犬、10kg以上の中大型犬で適応します。また、前十字靭帯の損傷に加え膝蓋骨脱臼や半月板損傷などが前十字靭帯断裂に併発している場合にも適応となります。手術方法は⼀般的に⾏われている人工靭帯を用いた関節外法の他、脛骨高平部骨切り術(TPLO)、脛骨粗面前進術(TTA)などがあります。
茜ちゃんのケース
「靭帯が切れているかもしれないので、大阪の二次診療病院を紹介します。」と伝えられたので、当院を受診されました。診察とレントゲン写真で、前十字靭帯が断裂しているのが確認され、手術となりましたが、元気に退院されました。
シエルちゃんのケース
左後肢をあげて歩くようになり来院されました。診察・レントゲン撮影で前十字靭帯断裂と分かり、血液検査や心電図で健康状態を確認後、 手術・入院治療を受けました。元気に退院され、今は歩行に問題なく通常通りの生活を送っておられます。