ヘルニアとは、裂けたところ臓器が出ることを指します。 横隔膜ヘルニアは、高い所から落ちた、車に跳ねられた等の事故で横隔膜が破れ腹部の臓器が胸部に出てしまう病気です。 軽いときには症状が出ないこともありますが、重度では重い呼吸困難の状態になり、死に至る場合もあります。
リリィちゃんのケース (横隔膜ヘルニア)
Nさんはジョギング中に交通事故にあった2~3ヵ月齢の子猫を保護され、来院されました。 子猫は事故による外傷性ショック状態のため、虚脱状態でグッタリ横になって低体温でした。横隔膜ヘルニアのため呼吸困難、肝数値は極端に上昇し、重度の貧血も起こしていました。まず輸血を行い、状態の安定を確認した後、横隔膜ヘルニアの手術を行いました。
術後の治療経過も良く、日に日に元気になり呼吸状態も正常になり元気に退院しました。
シクちゃんのケース (横隔膜ヘルニア)
呼吸が荒く、元気がないと来院されました。
レントゲン撮影をし、横隔膜が破れてしまって、胸腔内に、お腹の臓器(肝臓、小腸等)が入ってしまっており、肺を圧迫して呼吸ができずにいることが判明しました。
胸腔内に入ってしまってうっ血状態で腫れあがった肝臓、小腸等をお腹に戻し、破れた横隔膜を修復する手術を受け、酸素室で入院治療を行った結果、徐々に呼吸が正常になり食欲も戻り、元の元気を取り戻し退院されました。