‣病態
膀胱結石は膀胱内に結石が存在する状態を表します。膀胱結石の場合、ストルバイト結石という種類が多いことが知られています。品種や品種以外のリスクファクター(解剖学的尿路構造や性ホルモンなど)、尿路感染症、門脈体循環シャントや副腎皮質機能亢進症などの関連が報告されています。
‣臨床症状
疼痛や血尿、尿路閉塞などが原因となり排尿障害などが見られます。
‣診断
上記の臨床症状やレントゲン検査、エコー検査などの画像診断により結石の存在を確認します。また尿検査を行うことで尿路系の感染や炎症及び出血、されには形成された結石に関連した多くの情報を得ることができます。
‣治療
ストルバイト結石の場合食事療法や抗菌薬の投与などの内科的療法が選択されます。また結石がシュウ酸カルシウムの場合、食事療法などでは溶解させることができず、外科的治療が選択されます。
みぃちゃんのケース (膀胱結石の摘出手術)
以前、他院で膀胱結石摘出手術をしてもらったことのある仔が、年末に食欲、元気がなくなり、他院で診察・レントゲン検査を受け、膀胱内に大量の結石があると診断されました。お正月の間内服薬を服用しながら様子を見られ、年明け早々、紹介で遠方より来院されました。
血液検査とレントゲン検査で状態を確認し、結石摘出手術を行いました。膀胱にぎっしり結石が詰まり、尿道にも結石があり尿道狭窄も併発しており、膀胱と尿道を切開して結石を取り除きました。 翌日から自分で排尿できるようになり、徐々に食欲元気も回復し、無事退院されました。
ココちゃんのケース (膀胱結石摘出手術)
頻尿と血尿で近所の病院に通院し、膀胱炎の治療をされていましたが改善せず、レントゲン検査をうけられたところ膀胱に1つ結石がみつかり食事療法をされていました。しかし、しばらくして急に大声で鳴き痛がったので、別の病院に行かれました。そちらで再度レントゲン検査をし、今度は結石が4つ見つかりました。手術で取り除くよう、当院を紹介されお越しになりました。
レントゲン画像では1cm大の結石が二つ確認され、手術の前にCTで詳しく確認し膀胱より結石を摘出しました。 術後、元気に動き回り、徐々に尿の状態もよくなったため退院されました。
退院1カ月後の診察時には調子が良いとのことで、院内の尿検査でも尿に異常は見られませんでした。
龍ちゃんのケース (尿道・膀胱結石)
尿がぽたぽたでているということで来院されました。
検査の結果、尿道膀胱結石ができていることがわかりました。カテーテルや注射等の処置を行いましたが、尿が出たり出なかったりということが続いたため、手術で結石を取り出すという選択をしました。その際、肛門の周囲にできていた腫瘍も一緒に切除することになりました。手術後は尿もすっきりでるようになり、元気に退院していきました。
ハクちゃんのケース (尿道・膀胱結石)
ハクちゃんは、排便、排尿困難のため、来院されました。
検査の結果、多量の尿道・膀胱結石が認められ、手術となりました。
臨床症状も改善され、元気に退院されました。