▸病態
尿は腎臓から尿管を介して膀胱に溜まり、尿道を通って排泄されますが、尿管結石は腎臓で形成された結石が尿管を通る際に詰まってしまう病気です。
▸臨床症状
尿管結石の臨床症状は非特異的であると言われており、腹部触診による疼痛や体重減少および頻尿や血尿が見られる場合があり、また腎不全を発症しているケースも多く見られます。
▸診断
腎臓や尿管の結石は偶発的にレントゲン検査やエコー検査で見つかる場合が多く、尿管結石はX線で、エコー検査では尿管に石が詰まることで腎盂が拡張している(水腎症)所見も見られます。
▸治療
一部の結石は食餌療法や抗生剤の投与などの内科療法に反応する場合もありますが、重度の閉塞が疑われる場合は外科治療が必要です。
チロルちゃんのケース(手術用顕微鏡下で尿管結石と膀胱結石摘出手術)
以前より頻尿で診察を受けておられ、レントゲンで膀胱結石がたくさん見つかっていました。療法食で様子をみられていましたが改善せず、再度レントゲンで確認すると膀胱だけでなく尿管にも結石が見られました。
詳しくCTで尿管と膀胱内の結石の状態を調べ、尿管は細いため髪の毛のより細い糸を使って、手術用顕微鏡下での尿管結石摘出と膀胱結石摘出手術を行いました。
術後、尿の色もよくなり、元気に退院されました。
抜糸に来られた際のお話では、頻尿はなくなり1回でしっかりおしっこを出せるになり、歩行も軽快になったとのことです。