胆嚢炎、胆嚢粘液嚢腫、胆嚢破裂
胆嚢破裂
▸病態
胆嚢破裂は胆嚢粘液脳腫や急性壊死性胆嚢炎、肝外胆管閉塞などにより生じ、胆嚢の中に存在する胆汁が腹腔内にでることで腹痛、食欲不振や嘔吐、下痢、虚脱など非特異的な症状が認められ、腹膜炎や黄疸が見られます。犬の胆嚢炎は早期発見と早急な治療が必要です。
コロンちゃんのケース(胆嚢炎による胆嚢破裂)
1週間ほど前から息が荒く、嘔吐しており、最初の病院で肝臓が悪いと言われ入院しました。しかし、改善されず、ぐったりしているので、別の病院で診察、検査を受け、胃に水が溜まっていると伝えられ、当院に来院されました。
CT検査の結果、ひどい胆嚢炎から、胆嚢が破裂していました。死亡の危険性があるため、超音波メス、Sonicisionを用いて緊急で胆嚢を摘出する手術が行われました。
手術後も元気がなく、ぐったりしていましたが、徐々に回復して、食欲も戻り、すっかり元気になり退院されました。
胆嚢粘液嚢腫
▸病態
胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢内にゼリー状の粘液が過剰に貯留して胆嚢が拡張した状態になり、胆汁の分泌障害や破裂を起こす病気です。
マックちゃんのケース(胆嚢粘液嚢腫)
急にひどい嘔吐をし、元気、食欲がなくなったと来院されました。血液検査をすると、肝臓の数値がかなり高くなっており、 エコー検査・CT検査によって胆嚢粘液嚢腫と、肝臓にも結節病変があることがわかりました。
死亡に至る可能性があるため、Sonicision、ソノキュア等で胆嚢粘液嚢腫摘出術と、肝臓部分切除術を行いましたが元気になって退院されました。
ロコちゃんのケース (胆嚢粘液嚢腫)
定期診断のために来院され、肝臓の数値が非常に悪く緊急入院されました。
検査の結果、胆嚢粘液嚢腫で、胆嚢がパンパンに腫れていました。破裂してしまうと命にかかわるため、胆嚢摘出手術を行うことになりました。手術後、数値も少しずつ良くなり、今は元気に通院されています。