▸病態
体表にしこりができる疾患は多岐にわたり、年齢や犬種、性別、病変部位など様々な情報から総合的に判断する必要があります。
▸臨床症状
腫瘤は皮膚の増生や炎症、良性腫瘍や悪性腫瘍など考えられます。
▸診断
大きさや外観、進行の早さ、数などを加味したうえで、針でしこりの生検(針生検)やパンチバイオプシーをすることで診断がくだる場合もありますが、外科的切除を行い病理学的検査行わなければならない場合もあります。
▸治療
腫瘤のタイプによって治療法が異なってきますが早期発見は早期治療につながるため、発見した際は早めの受診が重要となります。
ハナちゃんのケース (左前肢の腫瘤切除)
前脚になにかできものができたと来院されました。左前肢にできた腫瘤は切除するのにあまり余裕のない場所でしたが、足を動かすのにも不自由なく切除することができました。
術後は経過も良く、退院され元気に走り回っています。
銀雪ちゃんのケース (眼瞼の腫瘍切除)
普段診てもらっている病院の紹介で来院されました。瞼の上の腫瘤が急速に大きくなってきたとのことでした。眼瞼の腫瘍としては非常に大きいもので、皮膚の形成が難しい状態でしたが、無事に終わり、今日は抜糸に来られました。
メイちゃんのケース (腹腔内腫瘍摘出)
前肢に小さな腫瘤ができて摘出手術のために来院されました。
術前のレントゲン検査でお腹の中に大きな腫瘍も見つかりました。CT検査で摘出可能である事が分かったので、この腫瘍を摘出することになりました。超音波凝固切開装置を使い手術を終え、前肢の腫瘤も同時に切除しました。摘出した腫瘤は約7kgもあり, すっかりお腹はスマートになりました。術後、日に日に元気になり退院されました。