リンパ腫とは血液の細胞であるリンパ球が腫瘍性に増殖する悪性腫瘍です。
犬の腫瘍中では発生率が高く若齢犬から主に中高齢に発生します、その発生部位によって症状や治療に対する反応が異なってきます
ナナちゃんのケース (リンパ腫)
約一年前に「喉と腰にしこりがある。」と来院されました。
どちらもリンパ節が腫れていて、細胞診を行った結果、リンパ腫だと判明し、抗癌治療をすることになりました。
未治療の場合、平均生存日数が4~6週間の病気ですが、ナナちゃんは、抗癌治療を始めてもうすぐ1年です。このまま問題なければ抗癌治療は一旦終了となります。
チーちゃんのケース (胸腔内リンパ節の腫瘍化)
他院より、「バリウム造影検査において、食道に何か詰まっているので、内視鏡検査をお願いしたい。」と紹介されました。
当院におけるレントゲン検査で、胸水を認め、胸腔内の腫瘍が疑われましたが、食道内にもバリウムがはっきり残っているため、飼い主様の希望により内視鏡検査を行いました。
内視鏡検査では異物は認めず、食道が胸腔側から圧迫を受け、狭くなっていました。
細胞診断検査において悪性リンパ腫と診断されました。胸腔内のリンパ節の腫瘍化により食道が圧迫され、飲食物の不通過が症状を引き起こしていたものと考えられます。抗癌剤を使わない内科治療での改善を希望されています。