▸病態
本疾患は僧帽弁の閉鎖不全により左心房に血液が逆流し、肺高血圧症や心拡大などが認められる心疾患です。
▸臨床症状
閉鎖不全初期には心拡大を示しませんが、病態が進行すると左心の拡大が起こり、うっ血性心不全やそれに伴う肺水腫、肺高血圧症などの症状がみられます。
▸診断
心原性肺水腫はレントゲン検査、心臓のエコーで診断されることが一般的で左心拡大や肺胞パターンが認められることもあります。また心疾患では3~6か月毎の定期的なECG、血圧、心臓のエコー検査も重要です。
▸治療
症例の重篤度により治療法は異なってきます。鎮咳薬の投与をする事もありますが、抗心不全薬の投与やループ利尿薬の過不足のない投与が重要になります。また、フードの変更も必要です。定期的診察が必要です。
アンディちゃんのケース (僧帽弁閉鎖不全症による肺水腫)
以前より心臓病で通院されていたアンディちゃんですが、急に咳と呼吸困難で立てなくなったと来院されました。
心電図検査に加えレントゲン検査で胸の状態を確認したところ肺水腫を起こしていました。ICUの酸素室に入院してもらい、注射と投薬治療を行いました。呼吸が落ち着いてきたため退院されました。
現在は食欲、元気もあり、調子よく過ごされているそうです。引き続き内服薬で治療を続けてもらっています。