▸病態
本疾患は大腿骨頭および骨頸部に発症する疾患で、大腿骨頭への血液供給が制限または阻害されることにより、股関節の変形性関節症を招きます。成長版が閉鎖していない小型犬に多く見られ、通常は大腿骨の無菌的壊死が認められます。
▸臨床症状
1歳未満の若齢犬で後肢の非荷重性跛行がみられ、後肢を挙上するような様子が見られます。通常は片側が多いですが、両側にみられることもあります。
▸診断
身体検査では股関節の可動域の減少と外反および進展時の疼痛が認められます。またレントゲン検査、CT検査では大腿骨頭の扁平化や壊死股関節の亜脱臼などが認められます。
▸治療
非ステロイド性消炎鎮痛剤と運動制限での保存療法をし、疼痛管理を行うこともありますが、症状が持続、進行する場合、大腿骨頭骨頸切除術を行います。
ライちゃんのケース (レッグペルテス(大腿骨骨頭壊死症))
他院にてレッグペルテス(大腿骨骨頭壊死症)の疑いと診断され、「うちでは手術できないので大阪の二次診療病院を紹介します。」と言われましたが、当院での手術を希望され、来院されました。
来院時、左後肢の筋肉が痩せていて、レントゲン検査を行った結果、レッグペルテスと診断し、手術をすることになりました。
手術の翌日から左後肢を少し使い始め、数日後には体重をかけて歩けるようになったので、退院されました。
今日は、術後の経過観察に来院されました。
今もまだ左後肢の筋肉は痩せ気味ですが、以前よりしっかり使って歩けているそうです。
モカちゃんのケース (レッグペルテス(大腿骨骨頭壊死症))
ほとんど右足を着けなくなって、筋肉も落ちてきたとのことで来院。レントゲン検査でレッグペルテス(大腿骨骨頭壊死症)と診断し、大腿骨骨頭を切除する手術をしました。
今日は術後の診察に来られましたが、足もつけて元気だそうです。