▸病態
臨床症状 主に排尿障害(頻尿、排尿困難等)が見られます
甲斐ちゃんのケース (前立腺膿瘍)
甲斐君は、数日前から食欲、元気がなく、尿の回数は多いが、尿が出にくくて痛がると、地元の病院の紹介で来院されました。
各種検査の結果、前立腺がひどく腫大しており、発熱、排尿困難がみられ、腎臓に負担がかかり、BUN,クレアチニンも上昇、組織検査の結果で前立腺膿瘍と診断。
衰弱していましたが、手術は無事に終わりました。術後は合併症もなく見違えるほど日に日に元気になって退院されました。 今日は、元気な様子を見せに来てくださいました。
リキちゃんのケース (前立腺肥大による排尿障害)
おしっこが出ず、食欲がないと受診されました。病院内でちょろちょろとおしっこをしましたがまとまった量は出ず、レントゲン検査と尿検査を行いました。尿検査では潜血がみられ、尿路造影検査で前立腺肥大が確認されました。入院し膀胱炎、前立腺炎、去勢手術、前立腺肥大の治療を行いました。 入院治療を頑張り、おしっこも勢いよく出るようになり元気に退院されました。
ク―ちゃんのケース (前立腺嚢胞、会陰ヘルニア)
もともと他の病院で、会陰ヘルニアの治療をうけておられたそうですが、次第に排便ができなくなり、お尻がパンパンにはれてきたと来院されました。エコー、CT検査をした結果、膀胱、結腸、前立腺嚢胞がヘルニア内に飛び出していました。ヘルニア内容物に圧迫され、全然尿も出ない状態で、腎不全にもなっていたので入院となりました。去勢手術後、ヘルニアの手術に入りましたが、広範囲のヘルニアのため、開腹して前立腺・膀胱・結腸を還納しようと試みました。しかし、複数の肥大した前立腺嚢胞が癒着し還納を妨げていたので、臓器を還納するため前立腺嚢胞も切除しました。前立腺・膀胱・結腸をお腹の中に還納できたので、膀胱・結腸・前立腺の固定手術を行ってからヘルニア整復手術を終えました。 後は徐々に排便・排尿も出来るようになり、他の子と比べると入院が伸びましたが元気に退院されました。 体の負担を軽くするため超音波メス、RFナイフを用いました。