腎臓病
慢性腎臓病
▸病態
腎層の働きが徐々に悪くなって起きる病気です。また、腎臓型リンパ腫、多発性嚢胞腎といった猫に特異な腎疾患でも腎障害が生じます。一度障害されてしまった腎臓の組織は回復することがないため、病気の進行を遅らせることが治療の目的になります。
▸臨床症状
初期には多飲多尿の症状が見られ、進行すると脱水による体重減少がみられます。さらに進行すると尿毒が体内に蓄積されることで尿毒症に陥り、食欲不振や嘔吐、消化器系をはじめとするさまざまな器官に影響を及ぼし、全身状態の悪化に陥ります。
▸診断
慢性と診断するには一度の検査では難しいため、必要な治療を行いながら定期的な検診によって病態の把握を行います。
▸治療
慢性腎臓病が発覚した場合、定期的に状態を評価し把握することで、できる限り長く安定した状態を維持できるようになります。腎機能が低下すると尿を濃縮できなくなるため、脱水が起こりやすくなり、さらに腎臓に負担をかけてしまいます。そのため、治療として点滴や積極的な水分補給による脱水の予防および老廃物の排泄を促します。また、腎臓の負担を軽減するための食事療法や薬物療法などを行います。しかし、治療を行っていても少しずつ病気は進行していってしまいます。病気が進行すると、貧血、口内炎、脱水などの症状が起き、全身状態が悪くなっていきます。その時々の対症療法を行うことで状態が改善する可能性があります。