骨肉腫
骨肉腫とは、骨の組織の悪性の腫瘍です。
骨肉腫は人と比べると、犬では多く発生し、犬では特に大型犬発生します。
骨肉腫は骨格系に発生する悪性腫瘍の85%を占めます。
肥満細胞腫
▸病態
犬の肥満細胞腫は皮膚がんの中でも一番多いがんです。肥満細胞種の発生原因はまだはっきりしていません。
グレード3まで進むと予後は短い傾向にありますので、定期的健康診断で、早期発見、早期治療が大切です。
血管周皮腫
▸病態
血管周皮腫とは軟部組織肉腫の中のひとつに分類され、四肢に多く発生することが知られています。転移率などは低いですが十分な切除範囲(「マージン」といいます)を確保し切除しなければ再発する可能性の高い腫瘍です。
テンちゃんのケース (下顎腫瘍切除)
テンちゃんは、下顎に腫瘍があり、血液検査の結果も悪く、他院にて大学病院を紹介されましたが、当院に来院されました。細胞の検査で悪性腫瘍の疑いとの結果でした。
11歳という高齢で心臓も悪かったのですが、下顎の半分を切除する大きな手術となり無事に終了しました。
すぐには食べられないので、経咽頭カテーテル(首の所から食道に入れるカテーテル)を留置し、そこから流動食を入れて食事を摂ってもらう入院生活となりました。組織検査の結果は悪性度の高い骨肉腫でした。手術の際に首の下と左脇にも腫瘍があったのですが、大きな手術だったので日を改め、後日手術を行い、組織検査に出した結果、どちらも悪性の肥満細胞腫と血管周皮腫でした。
高齢になってからの大きな手術でしたが、自分で食事もできるようになり、退院後もとても元気で、定期的に診察に来られています。