▸病態
脂肪腫は分化した脂肪組織からなる良性腫瘍で、犬の皮下腫瘤で最も多いと報告されています。本来体のどの部位でも発生しうるものです。脂肪肉腫という悪性の腫瘍もあります。
▸臨床症状
臨床症状としては腫瘤による隣接臓器への圧迫などによる症状が見られものもあり、脂肪肉腫という悪性の腫瘍もあります。
▸診断
脂肪腫は良性腫瘍ですが、他の腫瘍と区別が必要となるため細胞診を行います。
▸治療
病巣の増大が早い、また大きいので他の隣接臓器を強く圧迫して健康に影響を及ぼしている場合等においては外科的切除も選択肢となります。術前の浸潤度の評価はエコー検査やCT検査が推奨されます。
ムクちゃんのケース (巨大な脂肪腫)
後肢の腫瘍の切除手術を行う術前検査のCTで腹腔内に臓器を圧迫している大きな腫瘤があるのが見つかりました。腫瘤は非常に大きな脂肪腫で、切除手術を行い無事摘出しました。
術後は入院治療を頑張り、元気に退院されました。