▸病態
本疾患の原因疾患の多くは僧帽弁閉鎖不全症でなかには拡張型心筋症や動脈管開存症などにも起因します。これらの疾患により心臓に容量負荷が生じ左心不全に陥り、肺に水がたまる肺水腫になります。
▸臨床症状
一般的な臨床症状として肺に水がたまることによる呼吸困難や頻呼吸を呈し、努力性呼吸を行うための特徴的な姿勢を示します。必ずしも発咳がみられるとは限りません。身体検査では粘膜蒼白、頻脈や徐脈、低血圧、低体温などが認められます。
▸診断
診断では心拍数、血圧の測定、レントゲン検査、肺エコー検査などにより診断を行います。また胸水、腹水、心嚢液の貯留などの確認も重要です。
▸治療
病態が悪化している場合まず酸素吸入(ICU酸素室)を行うことが重要です。また呼吸状態が重篤であり極度の循環不全で虚脱状態や呼吸不全が顕著になった場合は気管挿管が必要となります。
うっ血に対しては即効性のある利尿薬を投与し、心臓への負担を軽減させます。