肝臓腫瘤
▸病態
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれているように肝臓がんが発生していても肝臓の腫瘤が小さいケースは症状が表れないため、健康診断で偶然に発見されることが多くあります。
肝臓の悪性腫瘤には肝細胞癌、胆管細胞癌、カルチノイド、肉腫など様々な種類があるため、確定診断には病理検査が必要です。
治療法には、外科手術、化学療法、放射線療法、免疫療法、分子標的療法を単独もしくは組み合わせて行います。
▸病態
犬では50%が悪性と言われていますが、猫では悪性が80%と言われています。避妊手術を若い時期にしていると発症率は下がります。主に外科療法が中心となりますが、病理検査により化学療法を行うか決めていきます。
▸病態
副腎腫瘍の50%は悪性腫瘍で組織学的には副腎の外側である皮質の腫瘍(腺腫、腺癌)、内側である髄質の腫瘍(褐色細胞腫)に分類されます。副腎腫瘍は局所浸潤性が強く、転移率も高いと言われています。特に副腎皮質の腫瘍は副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群ともいわれます)を示し、多飲多尿や腹囲膨満、左右対称性脱毛などの症状がみられることがあります。
▸病態
猫の大腸における腫瘍で多いのはリンパ腫、腺腫、腺癌等と言われています。症状としては、慢性的な血便、粘液便、また腫瘤によって大腸の狭窄が見られる場合は、便が細くなる等の症状が現れます。
▸病態
形質細胞腫瘍のうちで骨髄内で増殖するものは多発性骨髄腫,軟部組織(消化管原発のものは食道、胃、小腸、大腸)で病巣を形成するものを髄外性形質細胞腫と呼び、悪性の生物学的挙動を示すことが多く,高率に所属リンパ節へ転移します。皮膚おび口腔内に発生したものは一般に良好ではあります。
甲状腺癌
飼い主さんが体を触っていて偶発的に、頚部に腫瘤を発見して来院されることが多いです。腫瘍が大きくなって周りを圧迫すると、呼吸困難、発咳、嚥下困難、声の変化、顔面浮腫等がみられることがあります。両側に発生することが多いので反対側の甲状腺の評価も必要です。CT検査、超音波検査等の画像診断が極めて重要です。